テツタ的音箱2.0

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赤いギター

上京して働き始めた4月に生まれて初めてローンを組んで買った赤いギター

ギブソンB25、チェリーレッドのカスタムカラー、1968年製

19歳の時だった

当時御茶ノ水にあったクロサワ楽器Dr.soundで買った

その頃はギターのことなんて何もわからず

ただギブソンだから素晴らしいものなんだろうという考えで購入

見た目が最高にカッコよかったから

価格は20万円

今の相場より15万円以上安い

買ってしばらくして

なんだかあんまり鳴らないなぁギブソンなのにおかしいなぁと思いながら

その後9年くらい手放さなかった

いろんなギターを売っては買ったけど

これだけはずっと持っていた

様々な修理調整をして

買ってからも10万円以上は投資した唯一のギター

佐渡にも行ったし

伊豆下田にも行ったし

軽井沢にも行ったし

大阪にも行ったギター

二年前に滞納した市民税の支払いに充てるためこれまた御茶ノ水のクロサワ楽器で散々悩んだ挙句売った

8万円だった




本当にこのギターだけはとても思い入れがある

売ってからもやっぱり気になって行方を追ってみたりした

たびたび中古ギター情報をググってみたり

楽器屋に行くたびにその姿を探したり

たまにひどい時は

ああなんか今日は出会えそう!という思い込みを胸に楽器屋を巡ったりしていた

そして今日たまたまググったらみつかった

多少見た目は変わっていたものの画像を見て一目でわかった

僕はすぐ電話をして

弾きに行きたいのでとっておいて下さい、とお願いしたのが7時間前

次に見つけたら絶対に買い戻そうと思っていた

僕はすぐ出掛ける準備をした




池袋の駅に着いた

楽器屋は歩いて10分もかからない

どきどきした

楽器屋の店内に入ってからもすぐには行かずちょっとウロウロしてから店員の人に声をかけた

あの電話した者なんですが…




二年ぶりの対面

ずっと探してたギターが目の前にある

だけど感激はそれほどでもなかった

二年ぶりに弾いた

ああこんな音だったな

真ん中よりのレンジ

少ない倍音

ちっちゃい音

60年代後半のギブソンらしい音

ザッツビンテージな音

多分20分くらいずっと弾いてた

ネックが細い

弦高が低い

非常に弾きやすい




弾いているうちに

少しずつ冷めていく心があった

このギターの音ではもうインスピレーションは湧かない気がする

と感じ始めていた

このギターより今使っている国産のギターのほうがはるかにいい音がする

これはこれでいいけど、手に入れたところで今の僕は使うのだろうか

今の僕に必要だろうか

30万円もかけて

このギターを買う価値は?

一時間くらい考えてまた来ますと言って

僕はお店を出た





一時間後戻ってきて

また弾いてみる

弦をしばらく張っていたからだろうか

さっきより鳴るようになっている





結局、僕は買わなかった

今の僕には必要なかった

もしかしたらもう2度と出会うことはないかもしれない

レアカラーだから多分すぐ売れてしまうだろう

そうしたらまた行方はわからなくなる

お金が余っていればきっと買っただろう

いや、もしかしたらそれでも買わなかったかもしれない

多分これでもう

このギターを探すことはなくなるだろう

もし何年か後にまた会うことがあって

その時僕がお金持ちになっていれば

戯れに買うことはあるかもしれない





ありがとうさようなら

赤いギター

よい人にもらわれておくれ

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  1. 2014/11/10(月) 17:55:48|
  2. 日記
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